みなさん、目標を達成できているでしょうか?
新年になるときに今年の目標なんかを決める人が多いと思いますが、達成できているでしょうか。
「目標を立てたんだけど、上手くいかなかったんだよねー」とか、「続かなかったんだよねー」となっている人が多いんじゃないかと。
なんで目標を立てたけど、達成できなかったのかというと、目標の立て方が間違っているから!
正しい目標の立て方を知らないと、全く意味がありません。というのも、目標って立て方によって、簡単に達成率が2倍〜3倍になったりします。
今回は、正しい目標の立て方について解説していきます!
下手な目標のデメリット
目標は上手く使わないとなんの効果もありません。むしろマイナスになってしまうことさえあります。
ハーバードビジネススクールが、上手く目標を使わないとどんなデメリットがあるのかまとめてくれていますので、紹介していきます。
1つ目、視野を狭くする
目標を立てることによって、目標の文章にアイデアを縛られてしまいます。
例えば、「10kg痩せてモテる体型になる」というのを目標にすると、痩せることが目標になります。しかしモテたいだけだったら、面白いトークを頑張ったり、オシャレをしたりと別の視野を持つことができますよね。
目標を立てたことで視野が狭くなることって意外とあるんですよね。
2つ目は、モチベーションが下げる
目標を考えるときに、大きな目標を立ててしまう人が多いのですが、大きすぎる目標はモチベーションを下げます。
例えば、「年収3億円にする」という目標を立てても、明日から仕事をがんばろうと思える人って、いませんよね。
しかし年収を20万上げるだったら、明日からの仕事を頑張ろうという気持ちになります。
大きすぎる目標は、現在の自分の延長線上だと感じれなくて、モチベーションが上がりません。上がらないどころか、逆効果。
大きな目標は、目標を達成できなかったときに「なんで自分はダメなんだ」というマイナスイメージを作りだしてしまいます。そうするとモチベーションが上がらないどころか、むしろ肯定感が低下してやる気が起こらなくなります。
3つ目は、目標達成のためにリスクを取りがち
下手な目標の設定は、むしろ失敗のリスクを高めることにつながります。というのも無理な目標を設定しちゃうと人はリスクのある行動をとってしまいます。
たまに無理なノルマを押し付けられた社員が、不正なやり方でノルマを達成しようとしていたってニュースになりますよね。
無理なノルマって、視野を狭くして、モチベーションを下げる効果もあります。つまり不正を推し進めているだけなんですよね。
じゃあ全く目標を立てるな!ということではなくて、上手い目標の立て方がありますので、紹介していきます。
小さな目標を立てよう
科学的に目標は、小さい方が良いとされています。なんで目標は、小さい方が良いのかというと、その方が達成するぞーという意欲が湧いてくるから。
大きな目標をたてても、達成できるような気がしなくて、無い物として扱っちゃうんですよね。
例えば、ノルマのキツい企業って、社員にやる気があるかと言われるとそうじゃないよなーと。
自己啓発本によく、「夢は大きく持とう。夢を意識することで、無意識に夢の達成を意識するので、自然と達成できる」っていう理論がありますが、全く根拠がありませんからね。
大きな目標をたてるくらいなら、たてない方がマシ
大きな目標を持とうというのは、自己啓発系の業界ではよくででくるワードなんですけど、科学的な信憑性はありません。
大きな目標を持つと中年以降に人生の満足度が下がります。というのも、やっぱり若い頃って夢を見がちだけど、歳をとると無理な夢を見てたなーってなるそう。
中年になると、若い頃に抱いていた夢を全く叶えられなくて「あーオレは、なんてダメなやつなんだ」って考えてしまうんですよ。
大きな目標って、結局は達成できないことが多いんですよね。
みなさんも人生で1度は考えたことがあるんじゃないでしょうか?
- 「小説を書き上げる」
- 「映画を撮る」
- 「30歳までに年収1000万にする」
世の中に小説家志望の人はたくさんいますが、書き上げて投稿した人はかなり少なくなります。
というのも小説を書き上げるという目標が大きすぎるんです。小説は、平均して10万字ほど書かなければいけません。しかし普段文章を書いていない人が、いきなり10万字も書けるものではありません。
プロセスとは、「小説を書き上げる」だったら、「毎日1000字書く」とか。毎日1000字書けば、100日で小説が書き上がります。
人は、目標を立てても行動できない生き物なのです。というのも人には長い間、未来という概念を持っていませんでした。
えっどう言うゆことと思われるかもしれませんが、1万年前の人間は未来という概念を持っていませんでました。今でもアマゾンに生きるピダハン族は、未来という概念を持っていなかったりします。
人間の脳が変わるのに10万年単位の時間が必要だと言われています。人間が未来という概念を手に入れたのは意外と最近なので、未だに人間は未来のことを考えるのが非常に苦手なのです。
つまり大きく遠くの目標を思い描いても、人間の脳はうまく認識できていません。だから人間は目標を立てても、達成できないのでしょう。
何をするか分かりやすい目標にしよう
そんなの当たり前っちゃ、当たり前なんですけどね笑
例えば、「来年までに15kg痩せる」っていう目標だと、イメージが浮かびにくいんですよね。15kg痩せた自分って、イメージできますか?
なので正しくは、「大学時代の自分の体型に戻す」とか、「ジャスティンビーバーのような体型」とか。とにかく映像が浮かぶような目標の方が優れているということ。
他には「今日は、最高の勉強をする」っていう目標を立てたとします。そうすると「最高の勉強ってなんだ?」って疑問が湧いてきちゃいますよね。なので正しい目標の立て方は「単語を20個覚える」とか、とにかくイメージの湧きやすい目標にするべきだってことですね。
あとは副業に関して目標を立てるときに「来年までに月20万稼ぐ」とかにしがちなんですけど、「毎日30分は、副業の作業する」の方が続く可能性が大きいってことですね。
自己超越的な目標を立てろ
自己超越的な目標って、何かっていうと
- 「娘のためにタバコをやめる」
- 「家族のために稼げるようになる」
のように他人のためを思って目標を立てること。
または
- 「日本のために仕事を頑張るんだ」
- 「村のために、産業を盛り上げよう」
みたいな共同体のために目標を立てることを言います。
なぜ他人や共同体のために目標を立てると、目標を達成しやすいかというと、人間は他人のために行動する方がドーパミンが出るから。
ドーパミンは、やる気ホルモンと言われているくらいなので、出ると目標を達成しやすくなるのです。
なので他人への感謝を目標にするのが1番良いんじゃないかと思われます。
ということで、目標を普通に立てた後に、他人への感謝のために立てた目標に変換しましょう。
「副業で月20万円稼ぐ」なら、「これ以上妻に負担をかけないように、副業で20万稼ぐ」みたいな。
目標の文章を変えるだけで、目標の達成率が変わるってのは手軽で良いですよね。
目標は、人に話そう
目標を人に話すことで、自分にプレッシャーを与えて行動できるようにするって方法が昔からありますよね。
「目標を人に話すことで、より目標を達成できるのか?」については、科学的な答えは出ていません。
ニューヨーク大学の研究では、「人に目標を話した方が行動しなくなっちゃう」って結論だったみたいです。
しかし心理学者のリチャード・ワイズマンの書いた「その科学が成功を決める」では「人に目標を話した方が良いよ」ってことになっています。
科学界で賛否あるということで、個人的に人に目標を言うパターンと、人に目標を言わないパターンを試してみたんですけど、人に目標を言うパターンの方が達成できているなーと思っております。
しかし誰かれ構わず目標を語れば良いワケではありません。目標を常に語っているだけだと、夢を語るバンドマンと同じになってしまいますからね。
目標を人に話すことで目標の達成率を上げたい場合、誰に話すかが重要になってきます。
どんな人に話せばいいのかというと…
- その道を志している仲間
- その道のエキスパート
なぜその道を志している仲間に目標を話すと達成できるようになるのかというと、ピアプレッシャーを使えるから。
ピアプレッシャーが何かというと、他人もやっているからというプレッシャー自分に与えて、行動を強制する方法のこと。
大葉せんせいが、「大葉せんせいの雑記ゼミ」を毎日更新できたのもピアプレッシャーのおかげです。
もう1人目標を伝えるべき人は、その道のエキスパート。
研究で比較したのは、以下の3つ
- エキスパートに話す
- その道に精通していない人に話す
- 誰にも話さない
その結果、エキスパートに話した人は、目標達成率が上がっていたそう。
精通していない人に話しても・誰にも話さなくても、目標の達成率は変わらなかったそう。
ということで、目標を話すという方法は、話す人を選べば効果的なんですよね。誰かれ構わず目標を話す人はウザいと思われるので、やめた方が良いかもしれませんね笑
目標は、未来から立てる
普通の目標の立て方って、直近から立てていきますよね。「TOEICを1ヶ月で600点。3ヶ月で700点。半年で800点とる」みたいな。しかしこの直近から目標を立てる方法が間違いなのです。
なんで直近から目標を立てると、目標を達成しにくいかというと、目標が大きく漠然としてしまうから。
例えば「TOEICを1ヶ月で600点。3ヶ月で700点。半年で800点とる」という目標だと、結局意識するのは、TOEICで800点とることですよね。
TOEICで600も取れていない人が、いきなり800点を意識してしまうと、目標が大きくなりすぎて、何をして良いのか分かりにくくなります。
しかし目標を未来から立てる形にすると、「TOEICを半年で800点。3ヶ月で700点。1ヶ月で600点とる」という風になって、視点が1ヶ月で600点取ることに向きます。
1ヶ月で600点なら、意外といけるかもなーと思うことができるので、勉強に対してやる気が出て、達成率が高まるのです。
効果的な目標術
科学的に効果が実証されている目標術を3つ紹介します。3つとも使えって意味ではなくて、どれか1つで大丈夫です。
if-thenプランニング
どんな方法かというと、「もし◯◯が起こったら××する」という感じで、if-thenの形で目標を作るだけ。
「もし30分時間があったら、筋トレする」とか「もしイライラしたら、深呼吸する」みたいな感じです。
if-thenプランニングは、悪い習慣をやめるために使うと効果が薄いので、新しい習慣を作るときなどに使ってください。
if-thenプランニングだけでも、すでにかなり大きな効果ががあるのですが、さらにif-thenプランニングの効果を高める方法があります。
この方法で、なんとif-thenプランニングの効果が3割高まります。if-thenプランニングだけでも、習慣化の王様ですからね。もう習慣化の皇帝と言えます。
どんな方法かというと…
- まず最終目標を考えてみてください(月に副業で20万稼ぐ)
- 次に目標を達成した時のメリットを3つ思い浮かべます(欲しいものが買える。生活に余裕ができる。自己研鑽にも金を使える)
- 目標を達成を邪魔する障害を3つ思い浮かべてください(副業をやる時間がない。副業に飽きてしまう)
- その中で1番大きな障害を選びます(副業に飽きてしまう)
- それをif-thenプランニングに入れ込みます
↓if-thenプランニングの効果を3割高めた目標設定の例
「副業に飽きたなと感じたら、副業で20万円稼いだときのメリットを思い出す」
という感じです。if-thenプランニングをこの文脈で実行するだけで、効果が3割もアップするのです。
if-thenプランニングは、もともと効果量がかなり大きいのに、そこに3割増しですからね。
WOOP
次はWOOPという方法。アプリもあって、やりやすいのでオススメです。
WOOPとは、
- 願望(Wish)
- 成果(Outcome)
- 障害(Obstacle)
- 計画(Plan)
を明確にして行動する方法で、ポジティブシンキングの2倍の効果があると実証されています。
それぞれどう考えればいいのか説明していきますね。
願望
まず願望を明確化していきます。願望とは、目標のことですね。
例えば、10kg痩せたいとか、副業で稼ぎたいとか、TOEIC800点とか。
このとき注意して欲しいのは、願望を本当に望んでいることにしてください。願望を適当に決めてしまうと、WOOPの効果を最大限引き出せなくなってしまいますからね。
願望については、1日くらい悩むくらいでちょうど良いかと。WOOPのアプリでも、願望を決めるのが早すぎると、「もっと悩め!」と怒られます笑
そして願望の難易度設定は、なんとか達成できそうなレベルにしてください。難しすぎても、簡単すぎても、モチベーションが上がりませんからね。
成果
次に成果について考えていきます。
成果は、願望を達成するメリットを得た結果のこと。願望→メリット→成果の3段階で考えるとわかりやすいかも。
- 痩せた→モテた→彼女ができて、ハッピー
- 副業で稼いだ→時短家電を買えた→自由な時間ができて幸福度が上がった
- TOEIC800点→英語の専門書を読めるようになった→さらに勉強が加速した
成果を考えるときに、注意することは、成果をできるだけ具体的に考えておくこと。人間は具体的なものの方が、目標にしやすいのは、すでに紹介したとおりです。
障害
次は、障害ですね。
成果を達成するにあたって、障害となるものを考えます。
だいたい障害は分類できまして…
- 自分の習慣
- 自分の行動
- 自分の思考
- 自分の思い込み
- 自分の感情
みたいなところにあります。
例えば、副業で20万稼ぐという願望を叶えたいときの障害でいうと…「本業をしながら、副業をできるはずがない」みたいな思い込みが障害になっていたりするのです。
願望の設定レベルが間違っていなければ、障害は自分が原因なっているはずです。
障害をどう考えてみても世界が悪いなんて結論が出てきてしまうなら、願望の設定レベルを変えた方がいいかもしれません。
計画
最後に計画です。
計画は、「もし◯◯なら××する」の形にしてください。お気付きの方もいると思いますが、先ほど紹介したif-thenプランニングの形ですね。
「副業の作業をサボりたくなったら、3分だけでいいから作業する」
「もしダイエットを無視してご飯を食べたくなったら、とりあえず腕立て20回する」
みたいな感じですね。
最後にWOOPの方法をまとめると、下の画像ようなります。
目標の立て方 まとめ
最後に目標の立て方について、おさらいしておきたいと思います。
目標を出来るだけ小さく分解する |
具体的にイメージできる目標にする |
他人への感謝を目標に組み入れる |
目標を人に話す(話す相手は、同じ目標を持った人か、その道のエキスパート) |
目標は未来から逆算して考える |
目標術の形で、目標を作る(if-then,WOOP) |
目標の立て方で、目標の達成率が科学的に何倍も変わってくるので、ぜひ試してみてください。